私たちの体も生活環境も「酸性」「アルカリ性」などのバランスで成り立っています。
特に環境への配慮にはうるさい「ヨーロッパ諸国」では、1960年代から酸性雨がもたらす影響に敏感になってきました。
日本では1983年ころから環境庁による調査が行われ「海外で観測されている酸性雨並み」のpH値を観測しています。
この酸性雨というものは工業地帯から排出されるSO2(二酸化硫黄)・CO2(二酸化炭素)・NOx(窒素酸化物)などによる大気汚染により発生するものです。
雨滴中のイオン値が5.6pH以下の状態を「酸性雨」と言います。
この値を観測したからといってすぐに影響が出るわけではないそうですが注意は必要になってくるでしょう。
日本での観測値は「平均=4.7」程度という状況だそうで、これは欧米諸国でも観測されている数値です。
注意しなければいけないのはこのpH値が「4.5以下」となると魚類の生息へと影響が出てしまうのです。
実際に海外では酸性雨の流入河川域にある「沼」「湖」などで魚類の死滅などが見られています。
雨はどこでも降りますから「都市部」「工業地帯」以外の地域でも影響は深刻となっています。
われわれの身近な「製造業分野」でも稼働時に必要な工程にはいろいろと「pH」の調整が必要になってきます。
印刷や繊維業界、電気、めっき、化学分野などでpH値の調整による調整・作業が行われています。
・研磨剤のpHによりガラス製品は透明度が違ってきます。
・金属精錬時の作業時にはpH調整で必要な金属を取り出します。
・めっき作業でもpH値の調整次第で製品の光沢など仕上がりに違いが出ます。
・染料・インクのpH値次第で「発色」「安定性」などの性能に変化が出てきます。
・半導体製品などの洗浄液などもpH値の管理がされています。
・アルミの表面処理にもpH調整された処理液が使用されます。
こういったpH調整で「高いレベルでの安定品質」を維持しているのです。
製造時のpH値の管理も大事ですが排出したものまでも管理できる体制も必要になってきます。
さらに日本は「中国」など大陸からの流入は避けられません、こういった対策も必要になってきます。
「NOxを吸収=中和する舗装ブロック:ノクサー」
「酸性雨に強い瓦:石川瓦工業組合」
話題は変わりますが人間の体も「酸性」や「アルカリ性」などの食品を摂取することで成り立っています。
人間は「弱アルカリ性のキープ(pH7.4)」が良いそうですね、(摂取した食べ物でたびたび変わることなはい)
疲労回復や免疫力の向上には「酸っぱい食べ物」が期待できるそうです。
「酸性雨」もス~ッと解消できればいいのに…。そう思いませんか?