酸化焼成・還元焼成と「やきもの」の関係

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やきものに前回触れさせていただきました「やきものと釉薬」の続きをお伝えいたします。
とても「絶妙な作業」と「微妙な調整や工夫」が必要なやきものの工程では「焼き方」も肝心なポイントです。

同じ釉薬の素材を使用していても出てくる風合いや色の進み具合などが違ってくるのだそうです。
その中でも「酸化焼成・還元焼成」という言葉が出てきます。

*** 酸化焼成・還元焼成は何が違うのでしょうか…
酸化焼成・・・空気の取り込みと排気がしっかりされるように調整することで燃焼時に「二酸化炭素」を発生させる(高温)
還元焼成・・・空気の取り込みと排気を少なく調整することで燃焼時に「一酸化炭素」を発生させる(低温)
燃焼時の酸素量の違いで釉薬や素材への変化があります、「100%思い通りは難しい」とベテランの方もおっしゃっています。

*** 出来上がりに差はあるのでしょうか…
釉薬に鉄が多く含まれている場合と銅が多く含まれている場合とでは出来上がりには当然違いは出てきます。
その鉄の成分に「一酸化炭素」が多く作用すれば黄色っぽく、「二酸化炭素」が多く作用すれば緑色っぽくなります。
同じく銅の成分に「一酸化炭素」が多く作用すれば青色っぽく、「二酸化炭素」が多く作用すれば赤色っぽくなります。

しかしこれらも条件に合ってこその結果ですから、使用する窯(家庭用電気窯も含む)の状態をどのように管理(設定)するかがカギとなります。
還元焼成よりも酸化焼成のほうが行いやすいそうですので趣味で始められた方にもオススメでしょうね。
※ 還元焼成には「温度管理」「酸素の調整」「すべてにおいてのタイミング」など初心者では難しいそうです…

*** 決め手は「燃焼」と「温度」という事でしょうか…
陶器と磁器にも違いがるのも改めて知りました。(お恥ずかしい…)
陶器・・・時期に比べて低めの温度で焼成される吸水性のあるもので「柔らかみ」という風合いも楽しめます
磁器・・・陶器よりも高い温度で焼成するため(ガラス質の)光沢があり強度があります、白く出来上がり吸水性はありません

これだけ見ても「奥深い」「難しい」という陶芸の世界です。
趣味の域を超える方がいらっしゃるのもわかるような気がします。