フィルム写真の現像技術

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昔はフィルムを写真屋さんへ持って行き現像をお願いしたものです、出来上がるまで写真の写り具合はわからないので “失敗している可能性” もありました、またそれが写真の魅力でもあったわけです。

今はその場で確認できるのでこういったワクワク感はなくなってしまいましたね。

*** どうやって写されるのか…
フィルムの「ネガ」と呼ばれる状態は、色の反転や画像の天地が逆さまになったものが写されています。
色の反転というのは…
黒 — 白
赤(R) — シアン(C)
緑(G) — マゼンタ(M)
青(B) — 黄(Y)
というもので、色相環(補色)と言われています。

フィルムは、主に「発色現像~漂白~定着~安定~乾燥」という過程で現像されていきます。
ネガフィルムはその後、先ほどの「色の反転」の調整をした光によって専用の紙に焼き付けられ現像されます。
(シアン・マゼンタ・黄のフィルターを通した光をネガフィルムに当てて通します)

*** フィルムの構造…
デジタルにはない「味わい」というものがこういった作業による過程で出てくるのです。
フィルム写真は「銀盤写真」などといわれますが、塩化銀を使用したフィルムのことを主に指すものです。
(かなりの「マニア」といわれる愛好家の方が口にしますね)

フィルムの多くは、
① ポリエステルなどの「基材」
②「基材」からの光の反射を防止する”下塗り層”
③ 赤・緑・黄・青の色の層を形成
④ 紫外線吸収フィルター
⑤ 表面の保護膜
という構造でできています。

現像の手順として…
(焼き付けられた像を”銀盤”から現像する)「現像液」~(現像の進行をちょうど良いところで止める)「停止液」~(色のノリを安定させる)「定着液」~(定着液を洗い流すための)「水洗用液」などを使用します。

白黒(モノクロ)やカラーでは現像の際に使用する液剤も「モノクロ用」「カラー用」と使い分ける必要があります。
使用する液剤の内容が違います、発色現像・漂白といった作業もでてきます。

こういった作業をご自分の手で行うのは「写真の醍醐味」でもあるでしょう。
デジタルカメラの画像ではスマホやパソコンなどの画面を通じて瞬時に状況の把握ができますし修正も加えることができます。
こういった作業も、面倒くさいという「ひと手間」がアナログ好きなヒトにはたまらないのでしょうね。