認知の話

認知バイアス・イメージ画像
最近読んだ新聞記事によると、
「高齢者は見た目で判断する傾向が強い。」
という研究結果が出たそうです。
どういう事かというと、特に高齢者は「見た目で人を判断」し、
仮にその人に騙されたとしても、「また同じ人に騙され続ける」
傾向が、「若い人に比べて高い」
という統計結果が出た。という話です。
今回は、この記事の内容について、「多角的」に検証していければ。
と考えています。

「第一印象(見た目)での判断が、「固定化しやすい」のではないか?」
記事では例として、2枚の写真を写真に写っている本人に
会う前に事前に見せる。
という実験を挙げています。同一人物の「良い人に見える」写真と、
「悪い人に見える」写真のどちらか1枚を見せて、少しした後に、
その本人と対面させる。という物です。
これは心理実験でもポピュラーな物ですが、老若男女に関わらず、
「まず写真どおりの印象を持つ」そうです。

「生きてきた時代性と脳の認知機能の「複合的要因」ではないだろうか?」
そもそも「高齢者が騙されやすい。」という社会構造自体に問題があると思います。
なぜなら高齢者の財産を狙った、いわゆる「劇場型詐欺」と呼ばれる物は
この10数年ほどで急激に増えたものであり、逆に考えればそれ以前は
「騙される要素自体が無かった」とも言えるからです。

その、「騙される要素自体が無い(少ない)」環境下で生まれ育ち、それが脳の
認知として、「固定化されている為」多くの人が1度騙された人に、
2度、3度と騙されてしまうのではないでしょうか?
(もちろん、そうならない人もいると思います)

逆に若者の傾向として、「一度騙された人には、騙されない。」割合が高い。
という統計結果が出ていますが、これは今の時代背景を見れば当然だと思いますし、
そういった環境下で今まさに、これから脳が「物事を最も吸収する時期」
過ごしている訳ですから、むしろ自然な事だと思います。
(意図的に心理操作をし、「依存」させる事についてはここでは割合します。)

最後に。私なりに思うこと。
高度情報化社会の現代において、「情報」は至る所にあふれており、
私たちは常に「何かしら」の情報に晒されている。と言えます。
そもそも対人コミュニケーション自体、「情報のやりとり」です。
たまには、そこから離れて、一人でボーっと過ごしたりして、
「自分だけの時間を持つ事」も大切なのではないか。と
個人的に感じた次第であります。