最近の日本でもバターなどの乳製品が高騰してニュースやワイドショーで取り上げられていました。
今回紹介するマーガリンもそんな時代背景が産んだ産物なのです。
ナポレオン3世が第二帝政をしていた1869年のフランス。
フランスはプロイセンと戦争中でした。
戦時中なので当然物資は困窮しています。
その中に生活に欠かせない物資としてバターがありました。
そこでナポレオン3世は軍用民生用として使用する代用品の案を広く募集しました。
その時にフランスの化学者であるミシェル=ウジェーヌ・シュヴルールが、動物性脂肪の研究からマーガリンを提案しました。
これが認められマーガリンとして流通したのが始まりです。
それでは現在のマーガリンの製造方法を簡単に見ていきましょう。
まずは原料となる数種類の油脂を貯蔵タンクに運び込みます。
この際にタンクには窒素ガスを詰め込み、油脂の酸化を防ぎます。
そのご加温しながら乳化剤や着色料と一緒に配合します。
マーガリンは油脂に水分を加えた化合物です。
この際に加える水分には食塩や粉ミルク、香料などを溶かします。
この溶液を水相と呼び、マーガリンの味に直結します。
そしてこの水相と油脂を乳化タンクで均一になるように50-60度くらいの温度で加温しながら攪拌していきます。
この工程が終わったらいよいよ完成が見えてきます。
殺菌処理を施し、急冷して練り合わせ固めます。
これで私たちが普段見慣れたマーガリンになるのです。
そのご容器への充填・包装を行い、最後の試練である検査を行います。
この検査は風味や色合いはもちろんのこと、組織や成分などの厳しい検査を行います。
この難所を突破して初めて私たちの家庭に並ぶのです。
ちなみに日本にマーガリンが伝わったのは1887年と案外歴史があります。
そして国産マーガリンは現在のあすか制約の前身である帝国社が1908年に製造したのが起源とされています。