皆さんは絹を触ったことありますか。
すべすべしっとりで何とも言えない肌触りがたまりません。
絹の原料である生糸はとある昆虫の幼虫が蛹になるために紡いだ糸をゆでて、
とても細い絹糸を引き出して作られます。
今回はそんな昆虫、カイコと我々人とのかかわり方を見ていこうと思います。
カイコの正式名称はカイコガで、カイコというのは幼虫の名称なんだそうです。
まぁでも一般的にはカイコと言えばこの種全体をさします。
桑の葉を食餌とします。
ただし完全に家畜化されているため、野外では生息しないし、野外に放置するとまず間違いなく死にます。
カイコは野生回帰能力を完全に失っているとされる唯一の動物であり、人の手がなければまず生存ができません。
これは餌がなくなっても逃げ出そうとしないことや、自然界で目立つ白色の個体色であるなどもあげられます。
養蚕の起源はかなり古く、5000年前にはすでに始まっていたとさえ言われています。
ただしカイコの祖先となる昆虫は不明です。
近縁種でクワコという東アジアに生息するガが有力であるが、カイコと異なり、活発に行動したり、群生することがないなど相違点が大きいので疑問視されています。
まぁ何にせよカイコとヒトは長い歴史を一緒に歩んできました。
シルクロードにはじまり、日本では富国強兵策、富岡製糸場、ああ野麦峠などが社会科の教科書にでてきます。
これらはいずれもカイコと切っては切り離せない単語です。
それほどまでにカイコとヒトは近しい関係なのです。
また我々はただ単にカイコとよんでいるが地方によってその呼び名は様々です。
あとと、いちとい、うすま、ひめこ、などなど地方ごとに独自の呼び名があります。
カイコの利用方法も繊維である絹の採集がメインとなります。
我が国日本では古事記にも記述があるほど養蚕は古くからあります。
絹として利用する以外にも繭に着色して工芸品にしたり、絹の成分を化粧品などの添加物にすることもあります。
また絹をとった後の死んだ幼虫も鶏や豚、鯉などの飼料として利用しています。
釣りによく使われるさな粉とよばれる粉末はカイコのことです。
また貴重な蛋白源として人の食用にもされてきました。
今現在も長野県ではスーパーで佃煮として売られてます。
また朝鮮半島や中国でも炒め物や煮つけなどで食べる風習があります。
またほかにもベトナムやタイでも食されています。
現在カイコは宇宙食としても注目が集まっています。
飼育しやすく、蛹の段階で内臓にふんが詰まっていないことから宇宙ステーションで食料としての研究が行われているようです。
またモデル実験動物としてもカイコを利用しようとしてる研究者も多いのです。
安価で大量に飼育でき、系統も多い、そして大きいのでモデル実験生物にはうってつけです。
こんな感じで絹以外にもカイコはお蚕様として日々我々の生活を支えてくれています。