和紙について

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現在使用している紙は洋紙がメインで、主原料に木材を使用した木質紙です。
表面にツヤあり、マットなどの加工もされていろいろなサイズ・用途に合わせて販売されています。
原料に古紙を使用したりして安価で安定した品質の紙が生産できるのも魅力です。

こういった中で和紙の良さも見直されています、独特の厚みと素材感は味があります。
手漉きで製作される和紙は一枚一枚風合いが違いますので、美術的にも存在感が出てきます。

和紙の原料には麻・楮・雁皮・三椏の他にも竹・バナナの幹(樹皮)・稲藁・萱(かや)などがあります。
特に「楮(こうぞ)」は今でも和紙製造には欠かせない原料で、湿気に大変強いので重宝されてきました。

これらの原料を煮て灰汁やゴミを取り除き洗う事を繰り返し、繊維質を叩いてほぐします。
トロロアオイの根を潰して粘りのある液を取りだして水に混ぜておきます。
この水の中ではほぐした繊維の表面に、トロロアオイの成分がコーティングされてダマになりにくいそうです。

これを簾のような道具で目的の厚みになるようにすきます。
この状態の紙を重ねていき、水分を圧縮して抜いた後乾燥させます。
箱のように仕切りの付いた道具ですく事で、ある程度大きさを揃える事も出来ます

和紙は水濡れに比較的強く繊維質が紙自体の強度を上げています。
書道用半紙・ふすま紙・障子紙・傘・奉書や台帳など日常生活に密接して使われています。
遠い昔の古文書などにも使用されてして、変色などはおきていてもしっかりと文字を留めておいてくれています。
現在でも文化財の補修には和紙を使用しています、素材同士の馴染み方も相性がありますからね。

1900年代に入ると洋紙の生産は増えていき、和紙にとってかわるようになってきました。
現在では和紙の生産量は紙全体の0.3%だそうです、インテリアなどの素材では見かける機会もありますが、洋紙とは違い製造の技法から活用のテクニックまでもが伝統的な文化ですので残していきたいですね。