CAD(Computer-Aided Design)における「サーフェス系」と「ソリッド系」は、3Dモデリングにおいて使用される異なる技術とデータの表現方法を指します。それぞれの違いを説明します。
サーフェス系 (Surface CAD)
概念: サーフェス系のCADは、3Dモデルの外形や表面(サーフェス)を定義する方式です。主にオブジェクトの外形や見た目を表現し、オブジェクトの厚みや内部構造を扱うのが難しいです。
特徴:
・モデルは、曲面や境界のみで定義されます。オブジェクトの内部は空洞とみなされることが多いです。
・曲線や自由形状の設計に強みがあり、自動車の外装や航空機の機体など、滑らかな形状が必要な産業で広く使われています。
・複雑な形状を表現しやすい一方、物理的な厚みやボリュームに基づくシミュレーションには向いていません。
用途: 自動車、航空機のデザイン、工業デザイン(製品の外観を重視する設計)、アニメーションやCGで使用されることが多い。
ソリッド系 (Solid CAD)
概念: ソリッド系のCADは、3Dモデルを実際の物体のように、中身が詰まったものとして定義する方式です。これは、オブジェクトの外形だけでなく、内部のボリュームや構造を完全に記述します。
特徴:
・モデルは「ソリッド(固体)」として定義され、内部が空洞ではなく、質量やボリューム、物理的な属性を持ちます。
・部品の強度解析やシミュレーション、組み立て時の干渉チェックなど、エンジニアリング用途に強いです。
・モデルの厚みや物性値に基づいた解析が可能なので、機械設計や製造業での使用に適しています。
用途: 機械設計、建築設計、エンジニアリング、製造業(部品の設計・シミュレーションを重視する設計)などで広く使われています。
主な違い
表現方法:
・サーフェス系は形状の表面を定義し、形状そのものに特化しています。
・ソリッド系は形状だけでなく、内部の構造や物理的な特性も定義します。
用途:
・サーフェス系は、デザインや外観を重視する場面で使用されます。
・ソリッド系は、機能性や物理的な特性、製造プロセスを重視する設計に使用されます。
それぞれのCADシステムは異なる分野において適切なツールとなっており、使用目的に応じて使い分けられます。
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