有機フッ素化合物

「有機フッ素化合物とは、炭素(C)とフッ素(F)の結合を持つ有機化合物のことです。英語では「organofluorine compounds」と呼ばれます。


🔬 有機フッ素化合物の特徴

  1. C-F結合の強さ
    → フッ素は非常に電気陰性度が高く、炭素との結合がとても安定しています。これにより、熱や化学的分解に対して非常に強い耐性を持ちます。

  2. 撥水性・撥油性
    → フッ素が多く含まれることで、水や油をはじく性質を持ち、コーティング剤などに使われます。

  3. 低摩擦・耐薬品性
    → PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、商標名:テフロン)などに代表されるように、非常に滑りやすく、耐薬品性もあります。


🧪 主な有機フッ素化合物の例

 

名称 用途・特徴
PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸) 消火剤、撥水剤などに使用。環境残留性が高く、近年では規制対象。
PFOA(ペルフルオロオクタン酸) テフロン製造時の中間体。環境や人体への影響が懸念されている。
フルオロカーボン(例:HFC, CFC) 冷媒、発泡剤など。地球温暖化やオゾン層破壊が問題に。

🌍 環境・健康への影響と規制

  • PFAS(ピーファス:有機フッ素化合物の一群)としてまとめられ、**「永遠の化学物質」**とも呼ばれます。これは自然環境でほとんど分解されないためです。

  • 生体蓄積性があり、内分泌かく乱作用や発がん性のリスクが懸念されるため、世界的に規制が進んでいます(ストックホルム条約など)。

 

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