今回はゐ・ゑ・ヰ・ヱについてのお話です。え?これなんて読むの?と、思う方もいるでしょう。現代ではこれらは左から「い・え・い・え」と読みます。ゐとゑはひらがなのわ行に存在し、ヰとヱはカタカナのワ行に存在します。ゐ・ヰ・ゑ・ヱは、日本語の音節のひとつで、仮名です。これらの字はキーボードでi、e又はwi、weと入力すると予測変換で出てきます。
これらはかつての日本では当たり前のように使われていた字でした。ゐゑヰヱは明治時代までは小学教科書に採用され、普通に使う仮名文字として広く普及していました。しかし昭和21年(1946年)には表音式を基本とした現代かなづかいが公布され、現代の発音を反映した仮名遣いが採用されました。「ゐ」・「ゑ」は全て「い」・「え」に書き換えられ、「ゐ」・「ゑ」・「ヰ」「ヱ」は一般には使われなくなくなりました。現在では小学校で教わることはほとんどありません。中学校以降に古文などで見かける程度になりました。ですが、年配の方の中にはゐやゑが名前に含まれている方はいます。あくまで現在は普及していないだけで作品のタイトルや物の名称などにゐゑヰヱを使用しても問題はありません。
古い雑誌や昔の漫画などにもゐゑヰヱが台詞等に使われていることがありましたが、後にい・えに置き換えられるケースもあります。最近ではヱは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』のタイトルに使われた事で知名度が上がりました。
実は更に知名度の低い仮名文字があります。わ行のうです。文字のフォントにも登録されていな程マイナーな字です。現在は使われておらず、過去でもほとんど使用されなかった文字です。字の形はひらがなの「ほ」にとてもよく似ています。
使われなくなった理由は「い」・「え」と発音の区別が無くなっていったからです。10世紀頃の鎌倉時代に区別は無くなったと言われています。昭和になって習う必要すら無くなってしまったと言えるでしょう。