3次元物体認識技術(3D object recognition)は、コンピュータビジョンやロボティクスにおいて、センサーから得られる3次元データ(例:RGB-Dカメラ、LiDAR、ステレオカメラなど)を基に、物体の位置、姿勢、形状、カテゴリなどを認識・特定する技術です。
🔍 主な技術アプローチ
1. ポイントクラウド処理
-
点群(Point Cloud)データを直接扱い、3D物体を認識。
-
代表的な手法:
-
PointNet / PointNet++(点群を直接ニューラルネットで処理)
-
VoteNet(3D物体検出)
-
Point Transformer(Transformerを用いた点群認識)
-
2. ボクセルベース手法
-
3D空間をボクセル(立体ピクセル)に分割し、CNNを適用。
-
利点: CNNの活用が可能
-
欠点: 計算コストが高い
-
代表例: VoxelNet, SECOND
3. メッシュ/サーフェスベース手法
-
物体を三角形メッシュなどで表現し、3D形状を分析。
-
より細かい形状表現が可能だが、前処理が必要。
4. 深層学習ベースの多視点画像処理
-
3D物体を複数の2D画像に投影して処理(例:Multi-View CNN)
-
2D画像ベースのCNNを活用可能
🎯 応用分野
分野 | 利用例 |
---|---|
ロボティクス | 物体のピック&プレース、自律移動ロボットの障害物認識 |
自動運転 | 車両、歩行者、標識などの3D検出 |
AR/VR | 仮想空間と実世界の物体の一致、空間認識 |
製造・物流 | 品目の自動仕分け、品質検査 |
医療 | 3Dスキャン画像からの臓器・腫瘍の認識 |
🔧 使用されるセンサー・デバイス
-
RGB-Dカメラ(例:Intel RealSense, Microsoft Kinect)
-
LiDAR
-
ステレオカメラ
-
Time-of-Flightカメラ
-
産業用3Dスキャナ
🔥 最近のトレンド
-
Transformerベースの3D認識(例:Point-BERT, 3D DETR)
-
マルチモーダル認識(RGB+点群の融合)
-
リアルタイム3D認識の高速化
-
大規模3Dデータセット(ScanNet, ModelNet, ShapeNet)を使った事前学習
<トップページ> |