和服の女性を見かけると「華やかさ・優雅さ」「落ち着いた風情」を感じます。
和装の染色技術には「友禅染め(加賀友禅・京友禅)」「型染め(伊勢型紙・常盤紺型染など)」「絞り染め(豊後絞り・有松絞りなど)」「藍染め」など伝統的な技法が伝えられています。
友禅の特徴—
京友禅はもち米粉などを使用したノリで輪郭をふちどりしてさらに染料を使用して模様(図柄)を描いていきます。
金箔や刺繍を織り交ぜた技法では「艶やか」で「優雅」な表情が作りだされています。
この京友禅は加賀へと技法が伝えられ、加賀独特の進化をしていきました。
加賀友禅は京友禅よりも多く色で染色がされていて、良い意味での「華美」ともいえる趣があります。
特に加賀友禅には「植物の虫食い」などまで描かれていて写実性があります。
型染めの特徴—
柿渋などを塗った和紙を重ねて乾燥させ、その和紙を彫って型紙を作ります。(伊勢型紙)
その型紙を使用して、生地に染料を載せていく方法です。(枠を固定させる事で模様も安定します)
色ごとに型紙を使用して複数の染色を行うものもあります。
絞り染めの特徴—
生地の染めたくない所、模様を出したい所を糸などで縛り染色を止める技法です。
まず生地に下絵(下染め)をして絞りの加工をする位置を決めたら職人さんの手で一つ一つ糸で括ります。
下絵を漂白して全体の染色作業を終えると、括った糸を抜き表面のシワ取りなどの加工をします。
藍染めの特徴—
藍の茎や葉を発酵させたものを染料とする染め方。
染め液に浸けている状態から引き上げ、空気に触れた瞬間に鮮やかな色へと一瞬で変わる。
その工程を何度か繰り返すことで染めの濃さを調整することができます。
「藍染め」は天然の染色技法の中でも最も古来より伝わる技法です。
藍染めには「虫よけ効果」や「UVカット効果」があるそうです、外出時には最適かもしれませんね。
時代が変わりモードがいろいろと変化しても伝統的な美しさにはゆるぎない存在感があるものですね。