「付箋」…貼っても剥がせる接着剤ってどういうモノでしょうか?

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モバイル機器が台頭している社会ですが、咄嗟にメモをとったりすることはよくあることです。
しかし、その肝心なメモを忘れずに活用できていますか?

PCのモニターやファイルの表紙などに「メモ(付箋)」をペタッと貼り付けておくと便利ですね。

*** 付箋=便利なメモ?…
貼っても剥がせる、それも剥がした痕跡も残らない。
なんだか不思議ですよね、でも紙には「のり(粘着質)」がしっかりと付いています。
どういう仕組みかと調べれば、粘着力の弱いのりを使用することで可能だそうです。

「アレ?何か特別なのり(粘着質)ではないの?」と思いますがこれはホント。

本家本元の米国の3M社では接着剤の研究中に「超強力」ではなく「超弱い」接着剤を作ってしまいました。
この時点では失敗です、でも「これを活かそう」という発想で新たなツールが出来上がるのが素晴らしいですよね。

*** 便利(良いトコ)だけか?…
弱いとは言っても「接着剤(粘着剤)」ですので「まったく何もなかった」ことにはなりません。
便利な「付箋」ですが長期間貼り付けていると、剥がした際にわずかですが影響を残してしまいます。
紙媒体に使用すれば長期にわたる経年劣化もあるでしょうし、素材そのものの強度でも影響があります。
また粘着質の名残りともいえる場所には「汚れなど」も付きやすくそこからカビなどの発生に繋がってしまうこともあります。

*** 付箋は大ヒット商品…
当初の目的は「強力な接着剤の開発」だったのですからこれは “想定外” の出来事でしょう。
しかし、この想定外をこれほどのヒット商品にしてしまうアイデアは見習うべきポイントでしょう。

3M社には例え失敗したものでも他の社員の意見を聞き、それを取り込むという社風があったそうです。
偶然落ちてきた「しおり」を見てヒントを得たというエピソードも興味深いです。

さらに地道なセールスや使用者からのリクエストに応えた商品開発がここまでになったのも参考になります。

「強力に接着して、確実に残す」コトばかり考えがちですが、完了した項目は「跡形もなく剥がし去る」というのも魅力です。