キチンと待ちましょう! 接着剤の硬化にかかる時間。

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「コネクタ部分のシーリング作業」や「ダンボールの包装工程」やキャンペーンなどでノベルティグッズなどの入った小袋を「ホットメルト」「グルーガン」で貼り付けたりします。
熱で溶けた「接着用樹脂」を専用の器具でスポット的に押し出して、冷めれば固着できるという接着剤の一種です。
(「ろうそくの”ろう”」と同じような原理で機器の操作も簡単です、コンセントさえあれば作業はいたってカンタンにできるものです)

しかし、日ごろ使い慣れている接着剤も「速乾=瞬間的に硬化」というものばかりではありません。
完全に硬化するまでは触らないほうが良いかも…
では、どれくらい待てばよいのでしょうか?

*** 各接着剤による硬化時間の違い…
接着には塗布してから少し時間をおいた方が良いものもあります、張り合わせの作業からの完全硬化時間とします。
※ 完全硬化=接着剤が完全に硬化して接着面同士(部位)が安定している状態とします

・よく見かけるエマルションタイプの「木工用ボンド」は、塗布してから約10分位から硬化が始まります、1時間ほどで作業にも使用でき、完全効果ま では4時間~12時間程かかります
 接着剤に含まれる水分汚の蒸発による硬化ですので塗布の厚みや環境により時間も前後します

・エポキシ系接着剤(※1.※2)は「2液(2剤)混合タイプ」が多く使用されています、使用する量だけ取り分けて混ぜ合わせておく必要があります。
 「速乾タイプ」「30分硬化タイプ」などがありますが貼り付け可能な時間は5分~30分位ですので張り合わせ作業はその間に行います。
 また完全硬化までの時間は平均で1時間以上でタイプによっては2日位は様子を見たほうが良いものもあります。
 (タイプにもよりますが、混合する「エポキシ基材」「硬化剤」の反応にもよります)

(※1) エポキシ樹脂系の接着剤はポリマー形成の際に硬化し、電気的絶縁性や耐水・耐薬性もあるのでエンジニアプラスチックにも使用されています 。
 基盤に取り付けたICなどの保護のためにエポキシ樹脂でカバーしてあるのをご覧になったことがあると思います。
 主にエピクロルヒドリン(基材)と酸無水物(硬化剤)との混合によりポリマーの重合が起きて硬化が始まるものです。
 ウレタン樹脂もエポキシ樹脂系の接着剤と同じくポリマーと硬化剤による重合で硬化します。
 (主に「ポリオール:アルコール系基材」と「イソシアネート:硬化剤」を使用しています)

(※2)「アクリルやエチレン+酢酸ビニル樹脂と溶剤」「エポキシ樹脂+溶剤」など溶剤を使用した溶剤系接着剤もあります。
 これは使用している溶剤の揮発による硬化で接着します。(エマルションタイプと同じく蒸発[揮発]による硬化)

・瞬間接着剤については文字通り「張り合わせ(塗布)=硬化開始」により数秒~数分で硬化してしまいます。
 シアノアクリレート系の接着剤で常温下でも空気中の湿気による反応で硬化します。
 シアノアクリレートはモノマー(=単体分子)で接着剤中に約99%使用されているもので、空気中の湿気で反応を起こし急激に重合し固着します。
 多剤の混合作業や溶剤などの添加もせずに使用できるのがメリットでもありますが、その反応の早さゆえ容器先端で硬化してしまったり、接着面付 近で「白く付着」してしまうといったこともおきてしまいます。

*** キレイで確実な作業…
「大がかり」「大量」に接着したい場合では「接着面の清掃」「マスキングテープ」などによる養生が重要になります。
今では安価で手軽な「瞬間接着剤」がありますが、必要以上に使用してしまうと先述のように白く変色してしまいカッコ悪くなってしまいます。
また「エポキシタイプの接着剤」では、一度に多く混ぜ合わせすぎて使い切れなかったり、休憩しているうちに固化してしまい使い物にならなくなってしまうこともあります。

パッケージの「○○分硬化タイプ」というのは貼りあわせるまでの待ち時間ですから「できれば使うたびに出す」ようにしたいですね。