刃物の手入れは特に技術が要求されるものでしょう。道具のせいにしてはいけませんね。
「研磨作業」といえば製造過程で行われるものと保守(メンテナンス)・清掃で行われるものとに分けられるでしょう。
特別な作業ではなく一般家庭でも「研磨作業」と同じようなことは行われています。
とくに家庭で使用される研磨剤といえば台所用の「磨き砂」がなじみがあるのでは?(古いでしょうか…)
他にはカー用品や「歯磨き粉」にも使用されているものもありますね。
でもこれらは表面の汚れを落とす効果を期待して使用するものが多いのでは?
製造過程での研磨とは違う性質になってきます。
・製造過程での研磨では「対象の面の平滑さ」「面を取る」「素材の”層”を削る」などを目的とした加工手段として行われています。
ですからご家庭での研磨というのは「クリーナー(洗剤など)」で落としきれない汚れに対して行う “メンテナンス” という手段の一つではないでしょうか。
特にガラスには水滴が付いた後にできる「水垢」「ウォータースポット」「スケール」などといいますがこれが厄介なものになります。
この「水垢(他の呼び方もまとめて:※)」は汚れのうちはまだ「ふき取り」などで落とせるのです。
※ 水道水の成分や「カルシウム(=カルキ)」「ナトリウム」「カリウム」「マグネシウム」などの成分が残ってしまうのがほとんどだそうです。
*** では、プロの現場での研磨との違いは?…
現場での研磨作業とご家庭での作業との違いを考えれば「設備や機器類」「使用する材料」に大きな違いがあります。
作業で使用されている「研磨剤」には、主にアルミナ(アルミニウムの酸化物の一種)や炭化ケイ素、ダイヤモンドなどがあります。
現在では人造で研磨剤の材料が製造できるため粒子の細かさのコントロールもしやすいそうです。
先述のご家庭にある「クレンザー」には、”炭酸カルシウム” を主に研磨剤として使用しています。
また「歯磨き粉」にも “リン酸水素カルシウム” “炭酸カルシウム” “水酸化アルミニウム” 等が使用されています。
(研磨剤として成分に配合されている製品での主な成分です)
カー用品でもお馴染みの「コンパウンド」も研磨材として使用されていますが、シリコンの入ったものとノンシリコンのものとがあります。(後工程により使い分ける)
これらは使用目的によって使い分けられていますがプロ仕様でも一般購入品でもさほど成分には違いは無いものです。
ちょっとした「お手入れ」程度の感覚でしたら擦り傷消しくらいはできるでしょう。
ただし使用する場所などで使い分けることが必要ですし、下処理や養生もしっかりとして段階ごとに粒子を変えたりすることができなければキレイな仕上がりは望めません。
でもプロの方が使用すると手軽に購入できる(業務用ではない)商品でもキレイに仕上げられるのは “コツ” をつかんでいらっしゃるからでしょうね。