「バネ」に使用される鋼材への発生で特に注目されるようになりました。
金属には表面の加工処理がされているものが多くあります。
研磨・コーティング・メッキなどの表面処理で耐久性や性能の向上がはかられています。
どんな金属にも加工時における処理は必要となってくるものです。
しかしそういった面などから腐食などによる脆い性質がほころびのように出てくることがあります。
*** 金属の水素脆性とは…
金属類(特に鋼材など)は腐食(日常の伸縮や吸湿などによる)によって水素が取り込まれやすくなることがあります。
つまり “サビ”などといった腐食によるものの一種ということなのです、こういった外部などからの影響を軽減するために金属の表面に加工処理がされています。
例えば「メッキ」ですが、表面の硬度・強度の向上や摩耗の軽減、サビや酸・薬剤などからの耐性向上などのため施されます。
しかし、このメッキという表面の加工作業時にも水素を発生させる要因もあるのです。
「銅」「スズ」など比較的施工頻度の高い溶液だけでなく「金メッキ」「銀メッキ」の溶液内にも「水素イオン」として発生が認められています。
メッキとは溶液中の金属イオンを加工対象である金属へと析出させるものですからその際に水素イオンがあれば取り込んでしまう可能性もあるはずです。
また、この水素脆性によるダメージというのは、”衝撃” というような瞬間的な負担よりも日常から継続的にかかる負担によるダメージの方が材料にとって大きく響いてきます。
つまり「叩いて “パキッ” と入るキズ」のようなものではなく、素材面とメッキの膜の間からジワジワと侵食するものだということです。
*** 発生させないようにするには…
完全にゼロというのはなかなかむずかしいのでは?とされています。
加工時での発生を技術でカバーしてほとんど “ゼロ” 状態にしていても使用環境・条件によって発生する可能性があります。
使用者でもできる腐食の発生しにくい環境作り(塗膜・油膜による保護など)も有効な手段であります。