「ロケットエンジン」や「燃料」について

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天気の良い日には夜空でも眺める時間の余裕くらい持ちたいものですがなかなかそんな訳にはいかないのが現実です。

日本は “季節の移ろい” により「自然から大きな恩恵」を享受しています。
しかし、近年は気象の不安定な状態が多くなって「雨(雪)が降れば”豪雨(雪)”、風が吹けば”突風・竜巻”」といった「大きな被害」を被ることもあります。

ネットでもニュースの話題に「国際宇宙ステーション(ISS:きぼう)」から日本へ接近中の台風の鮮明な画像が送られてきてその大きさに驚いた方もいらっしゃるでしょう。
※ 宇宙ステーション(ISS)はアメリカ・日本・カナダ・ロシア・欧州宇宙機関(ESA)が協同で運用しています。
また2003年5月に打ち上げられ2010年6月にオーストラリアへと帰還した「惑星探査機:はやぶさ」も話題となりました。
しかしこれらの高精度な観測機材なども 「まずは宇宙へ」 と送り出さなければなりません。

*** まずはロケットを打ち上げる推進力…
まず探査機や衛星・供給用の物資などはロケットで運ばなければなりません。
ロケットの推進力には「固体燃料ロケット」「液体燃料ロケット」と方式があります。
「固体燃料ロケット」構造が比較的簡単でコストもかからず推進力も大きい
「液体燃料ロケット」燃料による推進力は大きく大型の機体を使用できる分取り扱いも慎重に行うことになります

ロケットは燃料(ケロシン・ヒドラジンなど)と酸化剤(液体酸素・過酸化水素など)を推進剤として使用します。

液体燃料式は「燃料」と「酸化剤」が別になっていてポンプなどにより燃焼室で混合され「タービン」を作動させる方式と、「高圧ガス」で混合させて燃焼させる方式とあります。
どちらも任意での作動・停止もできますが”燃料の性質”や”複雑で大型な装置のメンテナンス”に時間がかかるそうです。
燃料は「一液式」「二液式」とありデリケートな燃料の組み合わせや取り扱いには慎重を期する必要があります。

*** 主な燃料として…
○ヒドラジン
無色の液体ですが刺激臭があるとされていて、人体にも悪影響をおよぼす「眼・皮膚・吸入」で中枢神経・肺・肝臓などへの疾患の原因にもなります。
強毒性・強引火(着火)性、他液との混合により発火するので燃焼させる機関の簡略化も可能になるということです。

○ケロシン
一般家庭でも使用している「灯油」もケロシンといいます。(海外のスタンドでは”灯油=ケロシン”という表示だそうです)
原油からの蒸留(分留)成分である「重油」の改質されたものです。(元はガソリンや石油精製製品と同じ)
ロケット用燃料としては「液体酸素や過酸化水素」を混合して使用するものが多い。
※ ジェット燃料も「ケロシン」+ナフサ系成分でできているものがあります。

ジェットもロケットも地球上では「燃料」+「酸素」による”燃焼”で大きな推進力を発生させます。
地球上では強力な燃焼(推進)力を発生できますが、真空である宇宙での移動には液体+酸素が必要になります。
つまり「燃料には酸化剤が必要」なのでタンクも大きくなってしまい、ロケット全体の約90%の重量を占めることにもなります。

*** 酸化剤…
○液体酸素
薄い青い色の液体、医療現場でも製鉄にも使用されますが有機化合物との接触で「爆発的な反応」を起こします。
病院では黒いボンベで酸素の供給をしています、製鉄の現場では鉄の純度を高めるための酸素供給元として使用されています。

○過酸化水素
液体(常温時)のままでは不安定な性質ですが、薄めた状態(希薄水溶液)では「液体漂白剤」の成分としてよく見かけます。
便利な洗濯用洗剤には “過酸化水素+炭酸ナトリウム”=「過炭酸ナトリウム」が使用されています。
これは水に溶けると「過酸化水素:漂白成分」「炭酸ナトリウム:洗剤成分」とに分かれますので効率的でもあります。

また怪我をした際に傷口を消毒しますが、その際に「オキシドール」を使用したことがあるでしょう。
“シュワシュワ”と泡立ちますがこれも過酸化水素の反応によるものです。

過酸化水素はこのように不安定な状態で酸素を発生しやすく強い酸化力を持つので「ロケット燃料の酸化剤」として利用されています。

ちなみに「固体燃料」は…
燃料として…ポリエステルやポリウレタン、酸化剤として…ニトログリセリン・硝酸アンモニウム、ニトロセルロースを使用します。
これらは均一に練りこまれている状態でタンクに充填され、噴射口(ノズル)から点火されればそのまま順次燃焼していく構造です。
「ロケット花火」と同様の仕組みで飛んでいくことと同じです

液体燃料ロケットで本体を、固体燃料ロケットで補助コントロールをというようにそれぞれを使い分けて制御しているそうです。