“壁ドン”くらいではコンクリートは壊れませんよ!!
人間が建物の壁にもたれた位ではビクともしませんが、コンクリートはどこまで頑丈なのでしょうか。
経年による劣化で剥がれた壁などを見かけたことがありますが一体何が原因なのでしょうか?
*** なぜ丈夫なはずの”コンクリート”が…
コンクリートは石灰石や硬化物・水酸化カルシウムなどが主な原料です、水に濡れても強い日差しにもカンタンには負けません。
でも「酸」には弱いのです…
日常に「酸」なんてあるのか? と、思いますが例えば”酸性雨”や”骨材(*1)による侵食”などが挙げられます。
空気中には”酸性雨”の原因となる「窒素酸化物」「二酸化硫黄」や炭酸ガスも含まれていますので、それらは急激にとまではいかなくともじわじわと蝕んでくるものです。
(*1)骨材とは・・・コンクリートは石灰石だけではなく砂利やセメント硬化物なども含まれています
これらの鉱物にもさまざまな成分が含まれていてコンクリートに影響を及ぼすものもあります
ブロック塀などでも上の方が乾燥していて下の方は湿っているような場合、湿っている辺りの方が脆くなるそうです。
ただし雨濡れ程度ではそんなに影響は大きくないとしても、農業・工業排水槽など常に貯水されているような環境ではこういった影響も大きくなるようです。
溜まっている水分中へとコンクリートの硬化成分が流出することが脆くなる原因だそうです。
海に近い沿岸部では潮風によるコンクリートへの侵食の影響も大きくなるようです、塩化物(イオン)によるコンクリート部の欠損(ひび割れ)や内部鉄筋などへの腐食被害も促進されてしまいます。
コンクリート製品のみで積み上げられているものもありますが鉄筋などを使用している場合にはこういった材料からの影響も考えられます。
※ コンクリート中に含まれる「水酸化カルシウム」はアルカリ性を保つ成分で内部の鉄筋などの酸化(腐食)を抑えてくれるのですが、同時に空気中の二酸化炭素と反応して中性化され脆くなってしまうのです。
また、寒冷地などでは季節によっては風雪にさらされる可能性もあります。
コンクリートには細かい穴が開いていますがそこに水分が入り凍結(膨張)して融けてまた氷って融けてを繰り返すうちに脆くなり、ひび割れや剥脱(落)などを起こしてしまうこともあります。
“鉄筋コンクリート”というと「何でも来い!!」と思えるほど強いと思いがちですが、内部では徐々に劣化が始まっているのですね。