「消しゴム」は “消して”・”遊べる” 楽しいものになっています。

243c8fbb74a6e9eb2536d48ec0c31b21_s
便利なツールを駆使する現代でも消しゴムは必要不可欠な存在です。
小学生のころ消しゴムでひたすら紙をこすって「消しかす」を大量に作り丸めて「ゴム粘土」のようなものを作って遊んだりしました。
消しゴムの扱い方も乱暴だったせいか、真ん中辺りで切れて2つになってしまい使いづらくなったりもしました。

*** 柔らかい?硬い?消しゴム…
消しゴムの材料は…
主に「塩化ビニール樹脂=プラスチックと可塑剤とセラミクス粉末など」です、着色料や香料などを使用するものもあります。

塩化ビニール樹脂は、消しゴム本体の材料です。
可塑剤というのは、”酸やアルコール” からできていて、消しゴム本体の塩化ビニールに柔軟性を持たせ加工しやすくするものです。
※ 塩化ビニール樹脂+可塑剤のおかげで、字を消した際に消しかすとなって本体から離れることで次々と字を消すことができるのです

セラミクス粉末は、いわば「研磨剤」のような役割をします。
※ 鉛筆やシャープペンの芯(黒鉛)で書く文字は「塩ビ+可塑剤」によってキレイになりますが力を入れたりして書いたものやインクによるものは紙の表面だけではきれいになりませんので少し表面を削ることできれいにするものです

*** 高い品質でジャンルを超えた”消しゴム”…
製造は、上記の「塩化ビニール樹脂と可塑剤とセラミクス粉末」を混練して約120℃に加熱されて成形工程へと進みます。
オーソドックスな「長方形」のものや「香りつき」「玩具用」にと成形されていきます。
これらは金型などを使用した成形の技術の導入とその精度の高さにも秘密があるようです。

過去には「キン消し」が流行りました、最近では「お寿司」「スウィーツ」「キャラクタ」などカラフルで細かいところまで作りこまれていて、これはもう「文具」ではなく「玩具」というジャンルとして子供向けに展開されていますし、そのクオリティの高さには大人にもコレクターがいるほどです。(コーヒーやソーダの香りつきというものもありました…)
※ 海外の観光客の方には「食品サンプル」同様、大変ウケていますよね。

当初「消しゴム」というだけあって天然ゴム製のものが多かったのですが、今ではプラスチック製(塩ビ)のものが加工性能や安価に製造できることから主流となっています。
また「天然ゴム製」のものは柔軟性が少ないためキレイにするという目的よりも携帯性に優れています。
鉛筆やシャープペンの付属用の消しゴムなどに使用されていますが「消す」という性能では “塩ビ製” のものにはかないません。
でも「しっかり消したい」という時には、砂消しゴムが活躍します。
“天然ゴム”と”研磨用の砂”が使用されていますので、紙ごと削り取ってしまうという(かなり強引な)消し方になります。

今では「削除」という便利なボタンをクリックするだけで消えてしまいますが、紙面はそんなにカンタンにはいきませんね。