「電子ペーパー」というアイテム

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“軽くて”、”必要なタイミングで手軽に使える” ということが重要でしょう。
“筆記が大のニガテ” な私は、上の写真のように “Windowsタブレット” の「Windows Journal」を使用しています。

指先でなぞればメモできますが、わざわざ「メモ専用」として常にスタンバイさせておくのもバッテリーがもちませんし、他での使用ができなくなってしまいます。
別に「電子ペーパー」を用意して使うという手もありますが、どんなアイテムなのでしょうか?

*** 「書くこと」「読むこと」という機能に特化…
電子ペーパーはオフィスの “ペーパーレス” に貢献できるアイテムではないでしょうか。
パソコンやスマホなどの情報端末がオフィス機器類のメインになっていることは便利でもありますが複雑でもあります。
機能がいろいろとあるのは便利なのですが、パソコンは起動に時間がかかりますしスマホなどではバッテリーの残量が気になって頻繁には使用できません。

こういった際には機能を特化させた機器類があるとサッと使えて便利です。
※ 例えば「ボイスレコーダー」「デジタルカメラ」などはスマホでも機能として搭載されています

今回の「電子ペーパー」ですが
・機能が絞られているため、”起動が早く” “薄い” “軽い” “消費電力が少ない”
・紙媒体を使用するときと同じような “使いやすさ” がある
・書いた文字などは「消去」するまで保持されます
といった特徴が挙げられます。

実際使用するとタッチペンの当たり方で思い通りとまではいかないこともありますが、ホンモノのペンを使用しているような感覚は使いやすいと感じました。(デモ機使用の感想)
画面の視認性はちょっと角度によって見づらいことも(老眼のせいかもしれませんが…)
バックライトがあると見やすくなるのでしょうか?

*** 仕組みなどは…
これまでの液晶とは少し構造が違い、マイクロカプセル内に「白」「黒」の顔料と “粘性のあるオイル” などが入っています。
顔料には「白」=プラス、「黒」=マイナスというように帯電させてカプセル内に閉じ込めておきます。
キレイに並んだカプセルは電極のフィルムなどに上下を挟まれた状態になっています。
電位の変化によってカプセル内の顔料は上下に移動します。
カプセル内のオイルの作用で顔料は移動せずにいますので電力を使用しなくても表示ができるようになっています。

バックライト・偏光板などが要らない分「重量、消費電力」は抑えられますが、暗い場所での使用にはムリがあります。
しかしコントラストバランスや視認性などの性能が「紙媒体」に近いものがあるため自然な見え方ができるので負担も減ります。

*** ちなみに…
お子様の知育玩具でも「磁石」を使用した “磁気(お絵かき)ボード” などがありますが原理は同じような感じです。
・・・お絵かき用の磁気ボードの仕組みの一例…
master 500×300
盤面内はたくさんのマスで区切られていて、一つ一つのマスには0.02mm大の磁石が入っています。
さらに磁石と一緒に少し粘りのある溶液が入れられています。
この溶液のおかげでペン先の磁石によってマス内の磁石が引き寄せられた状態のまま保持されるようになっています。
(磁石を「黒」で着色しておけば書いた場所が黒く見えるようになります)
キレイにするには、底面に磁石を近づけることで磁石を引き寄せます。

使用するからには、「データは保存したい」「筆圧などでの誤入力は?」「コスト面は?」という課題もあります。
教育現場などでは導入の進んでいる地域などもありますが、書くことだけという機能に特化しているため、タブレットのようにマルチユースという小回りの利くメディアに手が行ってしまいます。

しかし、契約書などの重要な書類等では紙媒体がどうしても必要にはなります。
使用するシーンごとに使い分ければ便利なアイテムではないでしょうか。