「作業の見直しをしよう!」と口にする方がいます。
「どうにかしよう」という気持ちは分かりますけどカンタンに行くものなのでしょうか。
まずしておきたい事
・作業に関する問題点を挙げる
「○○の製品にキズがある」「△△が入っていない」など、作業者の指摘や先方からのクレームをテーマとする
・現状の把握をする
実際に製品を検査し、どの程度のキズ、クラック(亀裂・ヒビ)、どの製品が欠品しているのかなどを確認
・原因となる事柄などを探る
作業者の不慣れや機械の設定ミス、検査の甘さなどが無いかをチェック
・対策を検討する
工具や材料の管理の徹底や、工程順序・機械設定のマニュアル化で誰がやっても同じ品質を実現できる仕組 みを考える
・改善された状態を維持する
チェックシートを活用して「作業に携わる人の意識」を向上させる。
しかし、今の工程を見直しても変えられない事柄もあります。
工具を置く位置や仕掛かり品の流れのレイアウトの変更などしか見当たらないかもしれませんね。
箱に製品を入れてポリ袋に収め封をするという作業がありました。
箱を組み立てるだけ、製品を箱に入れるだけ、袋に箱と広告を入れて封をするというように3名で作業をしていたのです。
この方法ですと、箱が折られていなければ作業は始まりませんし、次工程も開始出来ません。
製品を箱に入れるだけの作業員は簡単な作業ですのでペースが速く、前工程の箱ができていなければ遊んでしまいます。
袋詰めの工程では美観にもきを使うため手間がかかります。(箱にあわせてピッタリと折りかえして真っすぐ封をするなど)
*** 箱を折る作業員は慌てて折ります、製品を入れる作業員は手持ちぶさたになります、袋詰め作業では前工程からの仕掛かり品が滞留しがちになります。
そこで、先に2名で箱を必要量折っておきます。
折りあがったら1人が製品を箱に入れます、もう1人の作業者が広告と一緒に袋に入れて封をするというように変更しました。
当然箱に製品を入れる作業員は先に終わりますので袋詰めの作業員をサポートします。
この方法に切り替えたことでの変化。
・まず、人員の削減(もう1人の作業員は別工程へのサポートに変更)
・全体数の把握と不良(仕損じ)の把握もしやすくなりました。
(箱の折りミス、袋詰めのミス、部材自体の不良)
・2人の作業員はお互いの工程のサポート(交代)もできる技量がつきました。
(作業員が一定の工程内の全作業を各自サポートできるようになった)
・3名での作業時間とさほど違いが無いので、各作業員の効率がかなり上がったのではないでしょうか。
作業員に1か所の作業のみを習熟させるのではなく、前工程・後工程にも関わらせて作業の「デキル」幅を広げていく事も見直しになるのでは?