レジェンド葛西の飛型と姿勢制御

スキージャンプ場
葛西 紀明選手、43歳。幾多の困難を乗り越え、
43歳の今尚、第一線のスキージャンパーとして活躍する、
まさに「生きる伝説=レジェンド」の称号に相応しい選手です。

「スキージャンプ」は、「ジャンプ」ではない!

競技名こそ「ジャンプ」ですが、(確かに跳躍のタイミングが
勝敗を分ける競技だと思います。)
むしろ重要なのは、
「飛型」の姿勢による、飛翔だそうです。

「レジェンドたる由縁。これがレジェンド葛西の飛型だ!」

葛西選手の飛型をTV等で拝見する限り、
「畳んでる!」といった印象を受けます。とにかく・・体が綺麗に折り畳まれているのです。
その姿は、さながらステルス戦闘機です。

航空力学的にも、葛西選手の飛型は素晴らしいそうです。
飛行機は翼によって揚力が発生する場と、重力によって下向きの力が発生する場の
ポイントを一致させる事で、より航続距離を伸ばすことが出来るそうですが、
その点においても、葛西選手の飛型は「理に適っている」そうです。

前傾姿勢が深ければ深いほど空気抵抗が少なくなるのですが、そう単純ではないらしく
理想的な形状になっていなければ、気流が乱れて回転してしまうそうです。
(紙飛行機などを飛ばすと分かりやすいかと思われます)
葛西選手の場合、足首から真っ直ぐにスキー板に向かって前傾している為、
形状的にも飛行機のそれに近い、理想のモーメントを実現しているそうです。

さらに、そこから状態を起こし着陸する、いわゆる「テレマーク姿勢」
取らなければなりません。
テレマーク姿勢は加点・減点の対象になる為、これをしっかりと決める事は
競技において、とても重要な事といえます。

あれだけの前傾姿勢を取りながら、着地でテレマークをしっかり決める。
やはり、「レジェンド」だと思います。

(おまけ:テレマーク姿勢について。)
安全性と着地時の衝撃を抑え、かつ美しさを兼ね備えた理想的な姿勢。だそうです。