最近、人工知能(AI)が囲碁の大局で世界チャンピオンを倒した。
というニュースを目にしました。
始めは、「なぜ囲碁でそんなに騒ぐのだろう?」と不思議に思いましたが、
(囲碁よりも複雑な将棋の対人コンピュータ対局が、既に盛んに行われているからですが)
よく考えれば現在、「将棋の電王戦」等の対局に使われるコンピュータは
「GPS」と呼ばれる物で、(人工衛星測位システムとは違い、
CPU同士を繋ぐシステムの事ですが、ここでは割合します。)
厳密には人工知能とはいえ、今回の囲碁の件とはニュアンスが異なる様です。
そもそも人工知能との対局は、かなり前から盛んに行われているのですが、
今回は当時、チェスの世界チャンピオンを倒した事で世間を賑わせた、
スーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」について触れたいと思います。
「スーパーコンピュータ「ディープ・ブルー」とは。」
IBMが開発した「チェス専用のスーパーコンピュータ」。
大学の研究室で作られたチェス専用コンピュータ「ディープ・ソート」の後継機で、
1989年から開発が始まり当時ディープ・ソートを倒した、チェス世界チャンピオン
「ガルリ・カスバロフ」を倒す事を目的として作られた。
1秒間に2億手先を読み、評価関数(過去の棋譜をベースに指し手が、どの程度有効か導く数式)
を用い、効果がある手筋、全てを洗い出す、「対局者思考予測システム」を搭載する。
カスバロフとの対局は2度行われ、1度目は1996年。カスバロフが3勝2敗1分けで勝利し、
2度目は1997年。ディープ・ブルーが2勝1敗3分けで勝利した。
その後、分解されパーツの一部が博物館などに展示されています。
「実際は多様目的の為の研究開発だった。」
表向きは「チェス専用のスパコン」として開発されたディープ・ブルーですが、その実
「より高度」「より知的」「より高い計算能力」「莫大な量のデータ管理」等といった
「他分野の為の研究目的」が背景にあったようです。
(IBMは後に、この成果を自社製品の開発に応用しているそうです。)
ちなみにディープ・ブルーの後継機として、「ヒドラ・プロジェクト」が
進められていましたが、2009年に中止されています。
「現在のコンピュータ対局ソフト事情。」
私も解らないながら小学生の頃、ファミコンの将棋ゲームで遊んだりしましたが、
その段階でも、勝てませんでした。
ましてや今の一般向けソフトでさえ、プロが練習用に使用するほどのレベルですので、
私などが対局した日には、瞬殺される事、間違いないでしょう・・・。