バイオミメティクス04 シャコから軍用品!?

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今までのバイオミメティクスシリーズは生活の役に立つ者ばかりでしたが、今回紹介するのはちょっと怖い軍用品にも応用されているかもしれない技術です。
皆さんはシャコってご存知ですか。
我々日本人はおそらく寿司ネタで出てくるエビのようなものという認識なのではないでしょうか。
味もエビのようでエビでない絶妙なおいしさです。
このシャコ、見た目もエビと近くて外骨格の殻を身にまとう甲殻類の仲間です。
エビやカニの親戚というわけです。
しかしシャコはエビやカニのようにハサミをもっていません。
代わり捕脚という鎌を持っています。
この捕脚がかなりの曲者で振り上げた鎌をぱちんと折りたたむ速度は時速80kmをこえ、威力はシャコの体重の1000倍以上になるといわれています。
人間に置き換えれば1トンものパンチ力にもなるというのだからいかにすごいかがわかります。
シャコはこのパンチで2枚貝やカニの殻を割るのです。
しかし殻は割れてもシャコの鎌は無傷です。シャコのこぶしはまさに鉄拳なのです。
カリフォルニア大学のチームがシャコの拳の謎を解き明かしました。
1つは、こぶしの表面が人間の歯や骨を作っているハイドロキシアパタイトという物質の層でできていることです。これが他の脚よりも5倍もの厚さを持っていました。
さらに2つ目はハイドロキシアパタイトの層の下に、平行に並んだキチン層がありました。キチン層は普通に甲殻類に見られますが、シャコの場合らせん状に回転しながら積み重なっていて、それがひび割れを防止していました。

この研究チームは米空軍の研究部門から資金援助を受けてシャコの構造をまねた硬くて軽い防具の研究を始めました。
残念ながらそれは現段階では未公開ですが、このチームはヘルメットや飛行機の素材などにも民間にも広めたいと考えているそうです。