人間には限界があります。
水の中で息を止めるのも限界があるし、
速く走るのにも限界があります。
しかしそんな限界を自然界に住む動物達はありとあらゆる進化の過程で克服してきた例があります。
今回紹介するのは童話などででてくる森の動物です。
森の中は危険がいっぱいです。
それがたとえ太い樹木の中でも同様です。
今回の主役はそんな樹木に穴をあけ虫の幼虫を食べる鳥、キツツキです。
キツツキは堅い木の幹に穴をあけるときに一秒間に20回というものすごい速さでくちばしで幹を打ち付けます。
こらはトラミングという行動です。
速度にして大体25km、衝撃の強さは1200Gに達すると考えられています。
普通に考えたら脳震盪を起こしそうですがキツツキはけろっとおいしいごはんを食べています。
ちなみに人間は大体80から100Gで脳震盪を起こすと言われています。
キツツキが脳震盪を起こさない理由は様々な理由が考えられています。
①衝撃が嘴の先の小面積から徐々に広がっていくので、徐々に威力が弱まる。
②嘴が弾力性に優れており衝撃の一部を吸収する。
③衝撃の一部が下顎から脳を迂回して後頭部に逃げる。
④舌骨が脳を取り囲んで守っている。
⑤頭骨が分厚い。
⑥頭骨の海綿状組織が衝撃を吸収。
⑦脳髄液が少ない。
あげたらきりが無いですが他にも脳の構造や嘴の構造、打ち付け方などいろいろな要素が考えられていますが、おそらくこれらが複合的に絡み合って衝撃を吸収しているのでしょう。
ではこれらの要素から我々人間が学ぶべきことは何か。
機能分類的には耐衝撃の分野でこれらのノウハウが活かされるでしょう。
実際キツツキの頭の構造を真似て、衝撃吸収を主眼に置いたヘルメットや登山用のアイスピックが販売されています。