自然界の輝きに学ぶ構造色

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南米に住む蝶や熱帯に住む魚にはカラフルな種類のものが多種存在します。
例えばルリスズメダイという熱帯魚。
その名の通り色鮮やかな瑠璃色(コバルト・ブルー)をした熱帯魚です。
しかしこの瑠璃色は普通の瑠璃色とは違います。
例えばバラなどが赤く色鮮やかに見えるのは花に含まれるアントシアニンという色素が赤以外の光を吸収して、赤い光をだすため赤色に見えるのですが、それに対してルリスズメダイは色素による光の吸収ではなく、表皮などの構造によって発色しているのです。
これを構造色と言います。魚意外にも昆虫やイカなどの軟体動物、鳥類なんかにも見られます。
身近なところだとコンパクトディスク(CD)やシャボン玉の色彩なども構造色です。
CDやシャボン玉自体に色はついていないけど、その微細な構造により光が鑑賞するのであんなきれいな色に見えるのです。

仕組みをもう少し掘り下げてみましょう。今回例に出すのはルリスズメダイです。
この魚の体表面には虹色素胞という色素細胞が青い光を反射することによります。
色素胞は魚類では、虹、白、黒、赤、黄の5種類が確認されています。そのうち虹と白には色素が存在せず、代わりに虹には光を反射する無色透明の小板ががあります。
ルリスズメダイの虹色素胞では細胞の核を中心にこの反射小板が幾重にも放射状に並んでいます。
この多重の反射小板が放射状なのでどこから見ても同じ色に見えるのです。
さらにルリスズメダイはこの反射小板の間隔を自由に変えることができるので青から紫に変化させ、深い色合いを出しているのです。

ものづくりの応用としてはまず挙げられるのは、これらの美しい色彩を取り入れることです。
構造色の特徴である見る角度によって様々な色彩が見ることができること、紫外線などのによる脱色がないことなどがポイントです。
このことから繊維産業や自動車などの塗装の分野ではかなり注目されています。