皆さん、字はどんな方向へ書いていますか?時と場合によりますが、大抵は左から右へ又は、上から下へ文字を書きますよね。日本ではこの2通りが当たり前となっていますが、このような決まりが出来るまでに様々な課題があったのです。今回はその縦書き横書きの歴史のお話です。
まず、英語圏では上から下へ字を書いていく風習が改行以外ありません。日本人が縦書き横書きどちらも使えるのは漢字圏の特徴だからです。漢字を一つの正方形のマスに見立てて配置するから縦でも横でも読み書きができるという感覚のようです。
英語圏では横書きの左から右へ文字を書くのは皆さんご存知でしょう。英語圏でも漢字圏でもない独自の文字を扱う国々でも左から右へ書く事が多いです。しかし、アラビア語、ヘブライ語等の中東圏では、その逆に右から左へと文字が綴られます。
かつての日本は縦書きが基本でした。そして18世紀頃に横書きも用いられるようになりましたが、横書きをする時は右から左へ書いていく風習だったのです。例えば、当時は、横書きで「つづく」と書く時は「くづつ」と見えるように書いていました。この風習は戦後直後まで行われていました。戦後になって欧米の文化を取り入れる活動が活発になると、欧米文化の左から右へ横書きする書き方を取り入れようになります。この綴りの革新は多くの賛否を呼びました。欧米の綴り方に賛成するの意見が革新的、従来の日本の綴り方を残す意見が保守的といった具合に分かれたのです。結果はご存知のように革新的な左から右の横書きが日本で普及します。しかし、それでも左横書きを認めない地域もかつて存在し、新聞社の中には左横書きの広告を拒否するところもありました。1952年(昭和27年)4月4日、日本政府が左横書きを強く推進すると表明し、字の綴りは現在の形になりました。その後、右横書きは車の右側へ字を綴る時など限定的になりました。
今こうして文章が読めるのも戦後の日本政府の左横書きの推進があったからこそなのです。