お茶の道具:茶筌作り

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皆さんは茶筌(ちゃせん)をご存知ですよね、嗜みの無い私には泡だて器のような使い方しか思い浮かばないのですが。
この茶筌はお茶を泡立てる事が目的ではなく、粉末状の抹茶をまんべんなく撹拌する目的で使用するのです。

竹という天然の材料で作り上げる緻密な作業は、昔から変わっていない伝統の技ですね。
その歴史はなんと室町時代にまで遡る事になりますから大変なものです。

流派などで使用する茶筌の形状や大きさは変わりますが、製作工程はほぼ同じだそうです。
では、その製作工程を追ってみましょう。

材料である淡竹(=はちく)を、節の上半分位から皮をむき、小刀で半分ずつに割っていき16割にします。
※分割数は16・18・20・24分割とあるそうです。
さらに皮部分と身の部分とに分け、身の部分は取り除き、16分割した部分を更に10本に切り分けます。
※つまり16×10=160分割となります。

この穂先をお湯に浸し柔らかくして、本体から先に行くほど薄くなるように削り、先をしごくようにして丸みをつけます。
さらに角をわずかに削り面を取ります、お茶が付着するのを防ぐためだそうです。

この穂を内側の下がり穂と外側の上がり穂とに分けて糸で編むように周回します。
下がり穂を竹べらで組み合わせて茶筌の大きさを決めます。
さらに上がり穂の形状や並びなどの調整をして出来上がりだそうです。

本当に簡略した製作法のご紹介ですが、材料の加工には熟練の技術が必要ですし、
竹という天然の素材を薄く均等に切り分けて揃え芯の部分や外側の部分の形状を整えていくのには、素材のクセや環境による影響などにも気をつけなければなりません。

茶筌でお茶の味が変わる程大事な道具でありますが、天然の素材から出来ているだけあってデリケートで寿命も短いそうです。
これも詫び寂びとでも言うのでしょうか。