慶応義塾大学の三木則尚准教授と東京医科大学の菅野義彦主任教授は、500円玉程度の大きさの小型人工透析システムを開発しました。
こぶし大でも人の腎臓と同程度の透析機能を持たせ、体内へ埋め込むことを視野に入れて開発されているそうです。
現在ラットを使った動物実験を進めていて、来年度以降徐々に対象を大型化して10~20年後の製品化を目指すようです。
開発した小型人工透析システムは1辺が24ミリメートル、高さ4ミリメートルで、高分子膜とマイクロ流路が交互に複数枚積層されているもの。
これを1辺が48ミリメートルの立方体にすると、ヒトの腎臓と同等の透析機能を持つようになるそうです。
高分子膜は一般的な人工透析に使われるポリエーテルスルホン(PES)製で、血液中のたんぱく質は通さず不要な尿素や尿酸を含む低分子イオンを通す構造です。
マイクロ流路は厚さ0.2ミリメートルのチタン製の板を型抜きしたような構造をしていて流路の幅は最大2ミリメートル。
流路はPES膜で血液が流れる層と透析液が流れる層に区切られてそれぞれが交互に重なっているものです。
透析患者の血液を流すと膜がフィルターとなり、血液から老廃物が透析液の層へ移動して血液は再び体に戻り不要物は排出される仕組みです。
埋め込みできるように血圧で動作し、透析液が不要なシステムの完成を目指すそうです。