皆さんはドラッグカーのレースをご存知ですか、0-400mのタイムを競うレースです。
本場アメリカのTop Fuelというクラスを頂点に行われています。
この車のエンジンはV8OHV、8000cc、最高出力5000～8000hp、トルクも800キロを超えるというバケモノです。
1/4マイル=約402メートルを4～5秒台で走り抜けるのです、この時の速度は約500km/h。
時速300km/hで走行するクルマを、横に並んだ瞬間にスタートすれば400メートル先では追い越せるそうですよ。
燃料も特殊でニトロ(ナイトロ)メタンという有機化合物を使用しています。
これはガソリン燃料の約8.7倍の燃焼効率を持ち、トータルではガソリン燃料の約2.3倍もの出力を発揮するのです。
燃焼効率(速度)が非常に高いので不完全燃焼のままの燃料や、水素・一酸化炭素が排出され、大気に触れた際に発火してナイトレースでは綺麗な黄緑っぽい炎が出ます。
こういった性質は高燃焼率のエンジンに向いています、これは分子内に酸素を含んでいるので酸素消費量が少なく一定量の燃料使用時での発生出力が大きいためです。
ガソリン燃料よりも燃焼効率は高いが、一定量の出力自体は低いようです。
ただ燃焼効率や吸排気効率が高いので、燃料としての冷却効率は高い性質を持っています。
そういえばドラッグカーにはラジエーターなどの冷却装置は付いていません。
燃料以外にも医薬品、工業用の洗浄溶媒や爆弾にも利用されますが、「ニトロ」と聞けば爆発する事をご存じの方も多いでしょう。
酸化剤(硝酸アンモニウム)と混ぜると高いエネルギーでの爆発を起こします。
極限での使用も可能なだけに取扱いには細心の注意が必要ですね。
ちなみにドラッグカーの燃費は約5メートル/ℓだそうです。
