DRAM

DRAM (Dynamic Random Access Memory)

概要

DRAMはコンピュータの主要なメモリの種類の一つであり、データの保存とアクセスが非常に高速であるため、CPUが必要とする一時的なデータストレージとして広く使用されています。

特徴

  1. 揮発性メモリ: 電源が供給されている間だけデータを保持し、電源が切れるとデータは失われます。
  2. 高速アクセス: 他のタイプのメモリと比較して、データの読み書き速度が非常に高速です。
  3. リフレッシュの必要性: DRAMセルは時間とともに電荷を失うため、定期的にリフレッシュ(再書き込み)が必要です。このリフレッシュ操作により、DRAMの消費電力が増加します。

動作原理

DRAMは、各メモリセルに1つのトランジスタと1つのキャパシタを持つことで構成されています。キャパシタに電荷を蓄えることでデータのビットを表現し、トランジスタはそのキャパシタへのアクセスを制御します。

  1. 書き込み: トランジスタをオンにしてキャパシタに電荷を供給することで、データを1ビットの形で保存します。
  2. 読み出し: トランジスタをオンにしてキャパシタの電荷を読み取り、その値に基づいてデータを取得します。読み出し後はキャパシタの電荷が失われるため、読み出し操作後にリフレッシュが必要です。

種類

  1. SDRAM (Synchronous DRAM): クロック信号と同期して動作するDRAM。データ転送速度が向上し、主にシステムメモリとして使用されます。
  2. DDR SDRAM (Double Data Rate SDRAM): クロック信号の両エッジ(立ち上がりと立ち下がり)でデータを転送するため、SDRAMの2倍のデータ転送速度を実現します。DDR2、DDR3、DDR4、DDR5など、世代ごとに性能が向上しています。

利用例

  • コンピュータのメインメモリ: データやプログラムの一時的な保存とアクセスに使用されます。
  • グラフィックスカード: 高速なデータ転送が求められるため、ビデオメモリとして使用されます。
  • モバイルデバイス: スマートフォンやタブレットのメモリとして使用され、低消費電力で高速なデータアクセスを提供します。

DRAMはその高速なデータアクセスと容量の大きさから、現代のコンピュータシステムにおいて不可欠なコンポーネントとなっています。

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