「くさや」をご存知でしょうか?
伊豆七島の新島で作られる、あの強烈な…(失礼)独特な香りの干物ですよ。
実際入手してガスコンロで焼いてみたら、信じられないほどの「臭い」いや香りでした。
住宅密集地帯だったらちょっとした事件になるのでは?と思いました。
でも焼きあがった魚は「ルビー」のような身の輝き、呼吸のタイミングを外して身を口に入れてみると…「美味い!うますぎる!!」
臭いはともかく「うまさ」では最強クラスという噂は本当でした。
北欧のニシンの発酵缶詰「シュールストレーミング」はテレビでも紹介されています。
世界最強の悪臭がする缶詰だそうですが、目の病気に良い効果があるとされていますし、韓国のエイの発酵食品「ホンオフェ」も凄まじい臭いだそうですが栄養価は素晴らしいとされています。
日本の「くさや」の漬け汁は長年にわたる微生物の発酵により健康にも良いことが分かってきました。
島民の方も体調の良くない時や下痢などの際には「くさや」の汁を飲んでいたそうです。
キズには「くさや」の汁を直接塗っていたそうですが、これは医学的にも有効であると確認されています。
「くさや」の汁には微生物がたくさんいて、化膿菌からガードしてくれます。(これは効果テキメンだそうです!!)
この強烈な臭いは普通「臭い=腐っている(腐敗)」とならないのでしょうか?
発酵食品だといわれれば好き嫌いはありますが口にすることもできますが、腐っているというともう誰も口にすることなどできません。
発酵=糖類の分解による乳酸菌発酵というのは聞いたことはあるでしょう。
腐敗=アミノ酸やタンパク質の分解によりアンモニアなどが発生することで強い臭い(悪臭)がします。
悪臭というもので生体反応?(本能?)で危険だと判断するのでしょう。
この「くさや」の起源は、離島での生活上貴重な「水」「塩」「魚」を長期にわたり保存するための方法からだそうです。
糠みそ漬けの糠床のように代々受け継がれてきたもので、各家庭で微妙な違いもあるそうですよ。
たんぱく質・カルシウム・アミノ酸(うま味成分)は他の干物製品とは比べものにならないほど多いそうです。
発酵する際の効果でビタミンB群の増加がみられるそうですから、疲労回復には抜群!!(栄養ドリンク以上かも…)
ペニシリンなどの医薬品開発技術もこういった生活の中の知恵や慣習などから生まれるものも多いそうです。
こういったメカニズムの解明や研究が未来の新薬開発にも役立つのでしょう。
参考記事HP : みんなのバイオ学園