デザイン検討モデル

 

製品のデザイン検討モデルは、新しい製品のデザインを計画、開発、評価する際に使用されるフレームワークやプロセスを指します。以下に一般的なデザイン検討モデルをいくつか挙げ、それぞれの概要を説明します:


1. ダブルダイヤモンドモデル (Double Diamond Model)

英国デザイン評議会(Design Council)が提唱したデザインプロセスのモデルで、2つのダイヤモンド型のフェーズで構成されています。

フェーズ:

1.探索(Discover)

・問題を広範囲に探索して、潜在的な課題や機会を見つける。

・ユーザーリサーチや市場調査を実施。

2.定義(Define)

・見つけた課題を絞り込み、明確に定義する。

・問題文やプロジェクトのゴールを設定。

3.発想(Develop)

・解決策を多数提案し、プロトタイピングを行う。

・チーム内でブレインストーミングや試作を繰り返す。

4.実現(Deliver)

・最適な解決策を選び、最終的な製品やサービスとして実装する。

・テストや改善を含む。


5.ユーザー中心設計(User-Centered Design, UCD)

ユーザーのニーズ、期待、行動を中心に製品を設計する手法です。

ステップ:

  1. ユーザーの理解
    • ターゲットユーザーを特定し、ペルソナやユーザーシナリオを作成。
  2. ニーズの定義
    • ユーザーの課題やニーズを分析し、設計目標を設定。
  3. プロトタイプの作成
    • アイデアを視覚化し、ユーザーが試せる試作品を作成。
  4. 評価と改善
    • ユーザーからのフィードバックをもとにデザインを繰り返し改善。

3. デザイン思考(Design Thinking)

問題解決型のアプローチで、創造的かつユーザー中心のソリューションを生み出すプロセスです。

フェーズ:

  1. 共感(Empathize)
    • ユーザーを深く理解し、共感する。
  2. 定義(Define)
    • 問題を明確化し、課題を定義。
  3. 発想(Ideate)
    • アイデアを大量に出し合い、最適な方向性を検討。
  4. プロトタイプ(Prototype)
    • 実際の解決策を試作品として形にする。
  5. テスト(Test)
    • プロトタイプをテストし、反復的に改善。

4. アジャイル開発モデル

ソフトウェア分野で多く採用されていますが、デザインにも応用可能です。迅速な反復を重視します。

特徴:

  • 小さなサイクル(スプリント)で作業。
  • ユーザーやステークホルダーから頻繁にフィードバックを得る。
  • 柔軟に変更を取り入れる。

5. クリエイティブプロセスモデル

創造性を活かしたデザインを求めるプロジェクトに適しています。

フェーズ:

  1. 準備
    • 情報収集とリサーチ。
  2. インキュベーション
    • アイデアを寝かせ、熟成させる。
  3. 閃き
    • 突然のインスピレーションやアイデアの形成。
  4. 検証
    • 実行可能性を評価し、具体化。

どのモデルを選ぶべきか?

  • プロジェクトの規模目的に応じて選択します。
  • 例えば、ユーザーの声を重視する場合はUCDやデザイン思考が適しており、素早い開発が求められる場合はアジャイル開発が有効です。
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