位置決め治具(ポジショニングジグ)は、ワーク(加工対象物)を正確な位置に固定するための装置です。主に以下の目的で使用されます。
1. 目的
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加工精度の向上:切削、溶接、組立などの工程でワークを正確な位置に固定し、一貫した精度を確保する。
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作業効率の向上:ワークの位置決めを自動化・半自動化することで、段取り時間を短縮。
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安全性の向上:手作業による位置決めのズレを防ぎ、不良品の発生や事故を減少させる。
2. 種類
(1) 機械加工用
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クランプ式治具:ボルトやクランプを用いてワークを固定。
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ピン式治具:穴やスロットにピンを差し込んで位置決め。
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マグネット式治具:磁力を利用して金属ワークを固定。
(2) 溶接用
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Vブロック:円筒形のワークの位置決めに使用。
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マグネットチャック:金属ワークを磁力で固定しながら溶接。
(3) 組立・検査用
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ダボピン式:ダボ(突起)と穴の嵌合で位置を決める。
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吸着治具:真空やエア吸着でワークを固定。
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ロボット用位置決め治具:協働ロボットなどがワークを正確に認識・把持できるように設計。
3. AI・ロボットとの関連
最近では、AIやロボットによる自動位置決めが進化しています。
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ビジョンシステムと連携し、カメラでワークの位置を認識しながら適応的に補正。
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力制御技術を用い、ロボットが微妙なズレを補正しながら組立。
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3Dプリント治具を活用し、多品種少量生産向けの位置決めを最適化。
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